チェルシーの強固な守備は弱点だらけ!?その攻略方法とは【現状把握編①】

2017年2月5日現在、チェルシーは第24節を終えて、2位に9ポイント差を離して首位に立っている。 得点力(51得点 プレミアリーグ3位 ※最多は52得点)守備力(17失点 プレミアリーグ2位 ※最少は16失点)ともに首位にふさわしい成績を残している。

昨シーズンのチェルシーが59得点53失点で10位という最終的な成績を思えば、攻守において凄まじい変化を遂げているのは間違いない。

その変化の象徴としてあげられるのは、コンテ監督の就任により、3バックが採用されたということである。

無論、攻守は表裏一体であり、得点力、守備力についてどちらも影響はあるが、得点力については今季の得点に関してチェルシー以外のトップ4の平均得点が50点である為、さほど特出した数字ではない。

ただ、17失点という数字は3位アーセナル28失点、4位リバプール30失点と特筆すべき数字である。

その為に、チェルシーの評判として聞こえてくるのは、"今年のチェルシーは堅い"という言葉である。

しかし、私はその言葉について反論したい。勿論数字として結果を残している以上、堅いというのは間違いではないかもしれない。

ただ、この言葉に含まれるであろうチェルシーの守備は素晴らしいという意味に反論したい。

率直にいっていまえば、チェルシーの守備が良いのでは無く、他のプレミアリーグのクラブが愚かである為にチェルシーの失点数が少ないということを言いたいのである。

チェルシーの守備は弱点だらけにも関わらず、他のクラブは全く弱点を攻めることなく、自ら蟻地獄にはまるようなプレーを繰り返している。

本稿ではチェルシーの弱点を紹介する前に現状把握、つまり現在どんなアプローチで守備を行っているのかについて言及していきたい。

弱点については今後紹介していく。

 

①3バックとは名ばかりで実際には5バックである

現在チェルシーのフォーメションは3-4-2-1として紹介されている。

しかし、3バックを採用するほとんどのチームは実際には5バックと表現するほう正しい。

なぜなら、実際の守備の場面ではモーゼスとアロンソが務めるWB(ウィングバック)はセンターバックの3枚とラインを揃えて最終ラインが5枚になる場合がほとんどだからである。勿論フォーメーションの表現方法については議論の余地があるだろうが、それはまた別途書いていきたい。

私がチェルシーの守備を表現するなら5-4-1と表現する。

つまり、WBも含めた最終ライン5枚にカンテ、マティッチが務める、ダブルボランチ。そして比較的前線に意識がある左サイドのアザール、右サイドのペドロ(もしくはウィリアン)も守備時にはボランチのポジションとラインを並行、つまり2列目として守る意識がある。そして、前線のジエゴ・コスタがトップに鎮座しているという形である。

 

・・・・次稿に続く