チェルシーの強固な守備は弱点だらけ!?その攻略方法とは【攻略方法編】
【具体的な攻略方法】
前項を踏まえ、チェルシーの守備の状態はおおまかに①~③の状態になる。
前述したように、横幅を使ってビルドアップを行うオフェンスにおいて、5バックは4バックに比べて優位である。
その為、①~③の図にある縦方向のスペースを使うことがチェルシーの攻略方法であると考える。
私がもし、チームに指示を与えるとして、以下4点の指示を考えた。
- アタッカーは裏を常に狙いチェルシーのDFラインを下げること(中盤に下りてボールを受けるのはNG)
- ディフェンダー(CB or SB)はロングフィードを多用し、②、③のスペースを狙うこと
- ミッドフィルダーは②、③を狙ったロングフィードのセカンドボールを狙うこと
- チェルシーの守備が①のような状態になった場合、自陣のスペースを使ってボールを回し、ビルドアップすること
指示①~④の論拠
まず、チェルシーを攻略するうえで、最も重要であると考えたのは、チェルシーのDFラインを下げることである。なぜなら、守備組織全体をコンパクトにされた場合、打開することがより困難になるからである。
困難になる理由として、5バックが横幅を使った攻撃に対して強い為、縦方向のスペースを失った場合、スペースやパスの選択肢を失う為である。
チェルシーの守備に苦しんでいるクラブのモードとして、よく見る光景がある。
自陣後方で持つ選手がなんとかビルドアップしようと中盤の選手にあてると、
スペースが無い為、激しいプレッシャーに曝される。
仕方なしに、ボールを自陣後方にリターンすると、それがチェルシーの守備のスイッチとなり(プレッシャーに曝されたことで、後方にしか選択肢が無くなり、次のパスの方向が読まれてしまう)、自陣後方のボールホルダーまでもが、激しいプレッシャーに曝され、ボールを失うという構図である。
図でいえば③の状態である。
しかしながら、スペースがないといっても、チェルシーは後方に人員を割いている為、守備のスイッチが入るまでは、自陣後方にそれほどプレッシャーに曝されることは無い為、比較的自由にロングフィードを狙うことができる。
つまりは、スペースが無く、プレッシャーのかかりやすい中盤のエリアでボールを回し、ビルドアップするのではなく、チェルシーの後方のスペースを狙うべきである。
アタッカーの能力にも左右されるが、ボールホルダーがフリーであるということは、ボールを出すタイミングは自由である。
つまり、受け手のアタッカーが走り出したタイミングでボールを出すことができる。
チェルシーDFが、走り出したアタッカーについていかなければ、当然失点の危険がある為、もちろんついていく。
すると、チェルシーはDFラインが下がり、②の状態になる。中盤と最終ラインにギャップができるのである。
私の考えた指示の狙いはチェルシーの中盤とDFラインを引き離してDFラインを孤立させ、②(もしくは③)のスペースを狙うことである。
その為に、裏を狙う&DFラインの手前を狙うロングフィードを多用することが極めて重要である。
ロングフィードを多用することについて、せっかくのマイボールを相手陣に蹴りこみ、
確率の低いプレーであり、格下のクラブが使う戦術であると考える人もいるかもしれない。
もちろんロングフィードは、ショートパスと異なり、出し手から受け手にボールが渡るまで時間がかかる為、ボールが受けてに届くころには、DFに寄せられ、競り合いになる。
だから受け手に素直にボールが渡らず、確率の低いプレーであることに違いない。
しかし、②の状態に陥った場合、チェルシーのDFラインがボールを跳ね返したとしても、中盤までの距離が長い為、届きにくい。
また、最終ラインが裏を狙うスペースをカバーする為に、後方に動きながら、ボールをクリアするには、飛距離もでず、コントロールも難しい。
つまり、チェルシーのDFラインを孤立させれば、ロングフィードのセカンドボールを拾う確率が高い。
そのうえ、セカンドボールを拾った時に、チェルシーの中盤が戻りきれなければ、DFラインの5人、1列を相手に攻めることができ、チャンスである。
これは素直にパスが通った場合も同様である。
その為、ロングフィードが確立の低いプレーであるというのは問題にならない。
チェルシーも②、③のスペースが危険であると察すれば、①の状態に移行するだろう。つまりはなんの変哲もない5バックである。
そうなれば、話は簡単で、たっぷりある自陣のスペースを使ってビルドアップし、チェルシー陣地まで深く押し込むことである。(アタッカーは裏を狙い、DFラインを下げる必要はある)
カウンターが怖いという意見もあるだろうが、ゴール前に押し込んだ場合、チェルシーはもゴール前に人数割かざるを得なくなり、前線に残った、1人、2人を自由にしなければ、こちらのゴールまでに距離もある為、カウンターを阻止することはそれほど難しくない。
以上が指示①~④の論拠である。
【まとめ】
私ははじめに、チェルシーの失点が少ないのは、他のクラブの攻め方が間違っているからだと書いた。
私が思うチェルシーの守備は野球でいうところ内野7人シフトのような極端な守備であり、なぜ、そのチェルシーを相手にゴロヒットを狙うのだろうという違和感があった。
外野フライを打てば、得点を奪うのはもっと簡単なのに・・・
そのチェルシーの攻略方法を簡単にいってしまえば、チェルシーはビルドアップの為のショートパスを狙っている。それなら大きく蹴りこんでしまえである。
もちろん、チェルシーはビッグクラブであり、優れた選手を多く抱えている。大きく蹴りこむにしてもキックの精度は重要だし、FWの能力も欠かせないから簡単ではない。
チェルシーに支配されてしまえば、攻める以前の問題である。
しかし、現在のプレミアリーグのクラブは下位のクラブであっても、ビッグクラブに引けをとらない選手が多く在籍している。
であれば、チェルシーから得点を奪うことはそれほど難しくないはずだ。